20024月号
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4/14(日)8時48分、津市役所前。前日までの肌寒さが嘘のようなポカポカ陽気に誘われ、集合時間を待たずして全員が集結。「春の家族会」成功・失敗の鍵を握るのは、企画が3に対して、天気が7の割合、とも言われますから、この時点で成功が確約されたようなものです。
 それにしても、今年の我が津ライオンズクラブ、お出かけイベントは全て好天の下に開催されています。世間ではこんな時、当事者の心がけが良かったから晴れた、などという表現をしますが、もちろん科学的には何の根拠も無いはずです。でももし、心がけと天候の間に何らかの因果関係が有るのなら、伊藤会長、ああ見えてけっこう良い人なのかも知れない。

 L:35名、LS:13名(稲畑L夫妻、浅井Lは船津屋からの参加)の一行を乗せたバスは、孫のような年齢のバスガイド・宮崎友美ちゃんをからかいつつ、一路桑名へと向かいます。
 最初の見学地は六華苑。山林王・二代目諸戸清六の旧邸で、洋館・和館・和風庭園からなる重要文化財です。一行は、しばし平成の俗世間を離れ、明治の大富豪の世界に浸る、と思いきや、口をついて出てくる言葉は「個人資産のままだったら固定資産税はいくらだろう」「この机を『何でも鑑定団』に出品したら500万円くらいかな」などというリアリズム。とはいえ、すでに車中で酒盛りを済ませた昭和生まれの酔客たちにとって、とても気持ちの良い散策の時間ではありました。

 続いて訪れたのは九華公園。特に観るべきものはありませんでしたが、例会開始までの約30分間、ひたすら歩かせることで、血中アルコール濃度が高まりつつある一行のカロリー消費を促そうという企画意図だったのでしょう。徒歩圏内にある例会場所の「船津屋」へ集合したときには、適度な空腹感がありました。
 例会は、執行部が形式よりも場の空気に応え、国歌もライオンズの歌もゴングもなく、極めて略式でスピーディに進んでいきます。審議事項も報告事項もそこそこに済ませたあとは、森前会長の「We Serve」の発声とともに、昼食タイムのスタートです。実行委員会のねばり強い交渉の甲斐あって、通常は万単位といわれる食事を、一人あたり予算六千円でご提供いただきました。ただ、食べてみての正直な感想としては、ほとんどが場所代だということですね。「新玉亭」で1,800円出せば、しばらく鰻を見たくないと思わせるくらい鰻づくしの定食が食べられるのに、と思う小市民の自分が可愛い。
 昼食のあとは、この日のMVP・浅井常生Lによるテールツイスターの時間。アルコールが入れば絶好調、「津ライオンズのあぶさん」と呼ばれる男の、まさに独壇場ともいえる創作の世界へ、皆さんようこそ。ドネーションカードに実際書いてあることなど、ほんの一部。カルピスを薄めて飲むときの原液の割合くらいかな。中村豊久Lが「勧進帳」と表現したのは言い得て妙でした。次回からは通常例会においても、適量のアルコールとともに、「常生の部屋」というタイトルでお送りしたいと思います。

 ここまではテンポよく来ましたが、「船津屋」を離れ「なばなの里」へと向かう道中、大渋滞に巻き込まれます。そこで岸江幹事が渋滞用にと用意していたのが、最新ベストセラー「世界がもし100人の村だったら」。人口63億人の世界を100人の村に例えて様々なデータをわかりやすく紹介した名著です。例えば「52人が女性、48人が男性」「90人が異性愛者、10人が同性愛者」「20人は栄養が充分ではなく、1人は死にそうなほど。でも15人は太りすぎ」など。これらのデータをクイズ化して、退屈した車内を盛り上げようという、極めて時宜を得たアカデミックな企画だったはずです。でも計算外だったのは、この時点での「車内がもし100人の村だったら」、80人がただでさえ日ごろから我が儘な中小企業主なのに、そのうち60人は酔っぱらってて、40人はすぐにでもトイレへ駆け込みたかった、ということです。結局企画半ばにして、半数弱の人が「歩いた方が早い」と下車。徒歩にて「なばなの里」へ向かいました。岸江幹事ごめんなさい。
 ところでこの本は僕も買いましたが、全文に英語の原文が添えられているので、年頃のお子さま・お孫さんをお持ちの方々には、情操教育・語学教育用に、プレゼントとしてお薦めです。お買い求めはハッピーブックスへ。

 予定より1時間遅れでたどり着いた「なばなの里」は大混雑。「お前ら他に行くとこないんかい!」と、ハワイへ行って日本人が多いと怒っている日本人の気持ちが分かります。結局、花を愛でる心を持たぬ男性軍はついついここでも地ビールへと走ってしまいます。血中アルコール濃度は再び最高潮へ。「今死んだら良く燃えるだろうなあ」などと思っているうちに、集合時間が来ました。

 16時半、ようやく女性軍お楽しみのアウトレットモール「ジャズ・ドリーム長島」へ。ここまで女性同士で行動していた数名のご婦人たちも、ここでは財布代わりの夫と連れ添って行動しています。小市民の自分は、高級ブランド店へ入っても、通常価格を知らないので、お値打ちなのかどうかが分かりません。結局EDWINで、ここでなくても買えたようなTシャツを買っただけ。でも店舗数も多いし、平日にゆっくり来られるのなら、結構楽しめるかも知れません。

 18時、予定より1時間遅れたまま帰路につきます。車中では、「歌う弁護士」飯沼昭典Lの熱唱を2曲お聴きいただいた後、長谷茂Lの持ち込んだ綾小路君麻呂の漫談テープで大爆笑。あっという間の1時間半でした。


 

今回、ご夫婦でご参加いただいたのは13組。見ていたら半数以上は終始行動をともにしてらっしゃいました。それが日常的なことなのか、非日常の姿なのかはともかく、将来自分もかくありたいと思わせる、とても心温まる光景。家族会の主旨はしっかり活きている感じがしました。
 そんな中から独断で選ぶベストカップル賞は、黒川正機L夫妻。特に理由はないけど、何か雰囲気が良かったんですよね。
 ベストドレッサー賞は中村豊久L。さすが衣料を商売としてらっしゃる方です。上下白のマオカラーのスーツを着こなせる人は、中勢地区ではこの人くらい。そのスタイルで、会計として紙幣を取り扱う様は、どう見てもチャイニーズマフィアでした。

 何はともあれ、村山実行委員長、阿部車輌長をはじめとするスタッフの皆様、お疲れさまでした。楽しい一日をありがとうございました。
(報告:長谷川信)


設問=自分が明日死ぬと判ったら、今日「最後の晩餐」に何を食べたいですか?
   
本設問については「この設問は愚問だと思う。明日死ぬと判った人間が食欲などありえない」(L河村正美)というご批判をいただきました。確かに現実的にはそうなるでしょうね。以下は、そんな愚問にお付き合いいただいた心優しき方々のお答えです。


【麺類にこだわる】

「うどん」(元L行方正臣)、「ざるそば」(L中西昭彦)、「その時にならなければ判らないが、現時点で考えられるのはラーメン(和風)」(L加藤甫)。やっぱり麺類の人気は不滅です。それにしても安上がりで良いですね。


【粗食にこだわる】

「銀シャリにみそ汁、魚の干物、納豆」(L豊田元則)、「美味しい漬物でお粥を味わう。変かな?」(L中川治夫)。変じゃないですけど「晩餐」というより「朝食」ですね。


【食通はこだわる】

「やはり、京都南禅寺前『瓢亭のお粥』でしょう。一子相伝の“瓢亭玉子”や三段重のお総菜は極上というほどでもないけれど、それらを食べ終わってほどなくに出されるお粥のさりげない味加減・・・。瓢亭では、粥にかつおだしと醤油で風味付けをし、葛でとろみを付けたものを掛けて食べさせるんですよね。京柴漬けや高菜などを添えてすすりこむ、この甘味のお粥・・・、至福の時です」(元L飯田章)、「昔、20年位前まで乙部の外れにあった『立花鮨』の厚焼玉子のにぎり寿し。材料を惜しまず、手間暇掛けて焼いた厚焼玉子は2cm位もあり、車海老のそぼろを挟んだにぎりは絶品で今でも夢に出てくる程です」(L中藤剛)。思わず垂涎のグルメな回答。食事前の例会で読むにはちょっと酷かな。


【上京にこだわる】

「銀座『九兵衛』の寿司」(L中村豊久)、「ザルソバ(荻窪『本村庵』)、焼き鳥(都内全域『鮒忠』)、とんかつ(原宿『庄太郎』)」(L原田佳幸)。回答者の顔ぶれを見ていると、何が食べたいというより、死ぬ前にもう一度東京で遊びたいだけじゃないんですか?


【飲食店経営者は比較的こだわらない】

「特にこれといってありませんが強いていえば鰹のタタキ」(L上田秋二)、「中華料理をホテルの展望の良い所で食したい」(L黒田晴)


【日本一にこだわる】

「日本一旨い“うどん”」(L伊藤和広)、「日本一おいしい米と日本一おいしい味噌を使った味噌汁(出来ればアサリ入り)」(L加藤徹夫)。


【珍味にこだわる】

「クジャクの舌」(L小寺克之)、「日本三珍味の一つ塩うに(越前の)と熱いご飯」(L赤塚高之)。三珍味のあと二つが気になって仕方ありません。


【団欒にこだわる】

「家族全員で、家で『しゃぶしゃぶ』が食べたい。たとえ真夏の暑い日でも、裸になって(パンツははいている)熱いしゃぶしゃぶを食べたい。(多分家族はいやがってすぐ席をたつと思うが)」(L岸江広和)。読んでるだけで暑苦しい。罰ゲームか?


【前会長はこだわらない】

「明日必ず死ぬとは限らない。平常通りの食べ物になるでしょう」(L森伸生)。何か前向きで格好良いなあ。


【現会長はやっぱりこだわる】

「キャビア」(L伊藤雅朗)。最後は食べ馴れた物を食べたいっていう見栄なのかなあ?それとも最後に一度くらい食べてみたいっていう夢なのかなあ?


【最期はこだわりたい】

「ドクターストップがかかっているので冷酒を飲み度い」(L海野弘史)。


母の手作りにこだわる】

自分なら何だろうと考えてみると、何でも良いから母親に作って欲しいと思うでしょうね。でも「母の手料理」という回答が一つもなかったのは、回答者の年齢構成によるものでしょうか。

(文責:長谷川信)