2001年9月号

日本文化とフランス料理

─移動観劇例会報告─

 9月8日(土)、9月第1例会は担当委員会である姉妹提携・会員交流委員会の熱意が天に届き、移動観劇例会にふさわしい晴天に恵まれました。

 午前10時、会員とその家族50名を乗せたバス(5名は自家用車で参加)は津市役所を出発。一路奈良へと向かいました。
 道中は特に大きな渋滞もなく順調に進み、予定通り1時からは奈良県文化会館で、伝統芸能・松竹大歌舞伎を鑑賞。今年が忠臣蔵300年記念にあたるということで、「仮名手本忠臣蔵」の「祇園一力茶屋の場」が最初に演じられました。
 「仮名手本忠臣蔵」は、赤穂浪士の吉良邸への討ち入りを題材に近松門左衛門が浄瑠璃として作出したもの。セットが組まれた舞台ではその浄瑠璃をさらに脚色しながら、京都祇園で、敵の目をごまかすため腑抜けを装って連日遊び暮らす大石内蔵助に、お軽・勘平の恋を絡めて、演劇+浄瑠璃+謡の合作のような構成で演じられていました。
 幕間には、「大石内蔵助」役を演じた中村富十郎を筆頭に「勘平」役の中村信二郎、「お軽」役の女形・中村芝雀、そして女形トップの中村時蔵の幹部4名が平伏し、「隅から隅までずずずいと、よろしく御願い奉ります」と独特の節回しで「お目見え口上」を行いました。
 最後の出しものは、和歌山県の道成寺に伝わる「安珍・清姫」の伝説や「今昔物語」に取材して作られた能曲「道成寺」を、これまた「京鹿子娘道成寺」として脚色し、清姫が安珍に恋焦がれ、かなわぬ恋に蛇体となって道成寺の大釣鐘に取り憑く姿を、笛、鼓、三味線などの楽と謡に合わせて、中村時蔵の巧みであでやかな舞いで披露。歌舞伎ファンならずとも満足できる盛りだくさんな内容だったと思われます。
 日本の伝統文化を堪能した一行は、自由散策の時間を挟み、「ル・ベンケイ」へ移動して例会。今度はフランスの食文化を堪能しました。
 「秋晴れ」のもと、「芸術の秋」「食欲の秋」と「秋のフルコース」を満喫した日帰りツアーは、どの参加者にも満足いただけた中身の濃いものであったと思われます。 (報告・久米宏毅他)

義務教育と和楽器

〜8月第1例会報告〜

 去る8月10日、8月第1例会は、青少年健全推進委員会担当例会として行われました。前年度までのコーラスフェスティバルの審査委員長、津児童合唱団の指導第一人者(現・養生小学校長)である、川合俊平氏を講師としてお招きし、「義務教育に取り入れられる和楽器について」というテーマでご講演いただきました。
 文部科学省の学習指導要領が来年度より変わり、義務教育における音楽の時間に、和楽器(琴・三味線・尺八・太鼓等)に親しむという項目が追加されるということ。グローバルな交流が行われる社会で、日本人としての自覚、基礎理念を、日本古来の文化を再度見直し、創意工夫することを通じて、子供達に体得させる意図だそうです。
 和楽器の演奏は、現在の教師の方たちが指導するのは難しいでしょうし、楽器自体も揃っていません。演奏指導のご協力を多方面から頂いているようですが、音楽の時間も限られている中で、和楽器に親しむ時間はまだまだ十分に確保されてはいません。今後、教師陣、設備機器、授業時間の拡充が望まれます。
 当クラブとしても今下期以降、なんらかのアクティビティに組み入れるようご検討いただければと思います。
                (報告・平澤利之)

ライオン達の宝物

設問:貴方の自宅が地震や火事に見舞われ、もし何か一つだけ持って逃げるとすればそれは何ですか?

 一部の方を除いて、今回の「津ライオンズナウ」は必ずご自宅へお持ち帰り下さい。
                 ●

 【愛情】
 最多にあたる9名の方が、家族の名前を挙げていました。「家族(無くしたらこれだけは元にもどりませんからね)」(L宮木康光)、「家族の一人でも逃げおくれた時は物なんか考えますか」(L河村正美)、「母(妻や子供には悪いけど、自力で逃げてくれると思うので)」(L岸江広和)など、涙無しには読めない回答の数々。皆さん当然、年末家族会にはご家族全員を同伴していただけることでしょう。

 【愛妻】
 中でも5名の方が「特に女房(しかし持っては逃げられないから)」(L加藤徹夫)、「デブの妻」(L小寺克之)と、奥様の名前を挙げています。やはり妻の存在は、精神的にも物理的にも重いようです。

 【愛玩】
 「猫」(L青木優平)、「犬」(L原田佳幸)。ペットを優先された家族との間に大きな溝ができないことを祈ります。

 【時代】
 今、最も現実的かつ効果的かも知れないと思った回答が、「やっぱり携帯電話でしょう」(L中西昭彦)。携帯電話から銀行口座にアクセスしてお金が動かせる時代です。やがては「携帯電話=全財産」になる日が来るかも知れません。

 【無欲】
  「何もない!人生は、『生者必滅会者定離』、物にこだわってはいけないと思っています」(L飯田章)。失礼をいたしました。でもこんなことを言っている人に限って実際には、枕元にあるアースノーマットあたりを持って逃げるような気がします。
               ●
 以下、人柄あふれる個性的な回答の数々をご覧下さい

 【冷静】
 「下着と時計(ベッドの横に置いてあるから)」(L加藤甫)

 【無私】
 「身体一つでとび出し市民消防団員として動く」(L小菅健司)

 【洒脱】
 「すぐに思いつかないが着る物(洋服等)」(L黒田晴)

 【名車】
 「ベンツ」(L中村豊久)

 【信心】
 「ご先祖様のお位牌、大黒様・恵比寿様の神像と観音像」(L藤波健一)

 【友情】
 「同窓の林健樹君から購入した洋画3点」(L宮田太郎)

 【骨董】
 「柿右衛門の美術陶器」(L永合寛)
 【由緒】
 「原田家の系図」(L原田温夫)

 【仁術】
 「患者さんのカルテ・料金カード等の記録」(L中藤剛)

 【無二】
 「自分の多量のメモ書き」(L久米宏毅)

 【即物】
 「証書」(L伊藤雅朗)

 【盲点】
 この設問に関して誰からも指摘を受けませんでしたが、よく考えたら、地震と火事では持って逃げるものが全然違うと思います。と言うより、地震の際には何も持たずに取り敢えずお逃げ下さい。
                   (文責:L長谷川信)